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B6の断片

言いそこねた何か

あなたと出会って私は毎日泣いてばかりで(周防桃子の話)

ミリマス
 
アイドルマスターミリオンライブ!!を始めてから三日目、11歳140cmの強がり少女の周防桃子に出会った。私にとってこの出会いは、ひとつずついろんなことを一緒にやり直すような時間だった。彼女と出会ってしばらくは、毎日が泣いてばかりだった。
 好きになるまでのことは前回記事を参照。
 

  
 
・かわいいが空から降ってきた
周防桃子はかわいい。ただ最初から直球一目惚れかと言われるとそうでもなく、『まぁかわいいよね』とサブで選べるくらいの好みだった。好みは外見の好み+内面+自分の立ち位置の総合点でキャラへの思い入れが決まるため、内面からどんどん掘り下げられるミリオンの娘はみんな取っ付きやすい。見た目が好みすぎると満足してしまうので、このへん桃子はバランス良くハマったと思う。
ぱっと見の印象はさておき、彼女は見れば見るほどかわいい。タレ目っぽい大きな瞳、チラッと主張するまつ毛、ふくふくの頬、ウェーブがかってまとまる髪が小動物っぽさを増している。ドヤ顔もすました表情も似合う。年少組のくせにマセていて照れ顔がいちいちかわいい。というかどんな表情もかわいい。もうめちゃくちゃに猫っ可愛がりしたいくらい衝動が抑えきれなくて、脳内お兄ちゃん倫理委員会と戦う毎日だ。この時期の私は、漫画『百舌鳥さん逆上する』で百舌鳥さんを可愛がれなくて悶絶する育ての親(2巻~参照)みたいな感じでイメージしてもらいたい。

タレ目っぽいのまじかわいい↓ 

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 百舌鳥さん面白いよ。

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

 

 

私が心の底からかわいいものを求められるようになったのは彼女と出会うほんの1週間くらい前のことで、そういうものを求める自分をやっと許せるようになったくらいの時期だった。きっと今後は生まれ変わらないと着れないようなファッションを夢見て、今まで願いそこねたものを求めて一人で完結して生きていくんだろうなぁ、と思ってボンヤリしていた。そんなタイミングで表れた周防桃子は青天の霹靂、空からかわいい生き物が降ってきたような驚き。親方を呼んでる暇もない。みんなハマることを沼って言うけど、私の場合は鋭角に頭から刺さっていった気分だった。駆けつけずにはいられない。大切にしたいと思わずにはいられない。もうとにかくたまらなくて、いじらしくて、いっぱいいっぱい可愛がりたい。彼女の魅力は落ちるんじゃなくて、気付いたら駆けつけて気付いたら入れ込んで大切な存在になってしまうところだと思う。桃子は、ずっと取りこぼし続けたかわいいものへの憧れを、心の底から満たしてくれる。このかわいい存在をずっと見ていたい。桃子の夢をデコって一緒にずっとキラキラにしててあげたい。そう思わずにはいられなかった。
 「かわいいもの」に関しての因縁はこのへんを参照してもらえれば。

 

読むのが面倒くさい人(私もそのタイプ)向けに軽く説明しておくなら、かわいいものは物心ついた頃の私の生存権そのもので、誰かから愛される理由で、願っても手に入らないもので、自分が望むにはあまりに遠く、恥ずかしいものだった。今もその気持ちは消えてない。だからあんなにデコレーション・ドリ~ミンッ♪の乙女歌詞がハマったんでしょう。


・好きなものに触れること
そういえば、桃子に会うまでは新しく二次元を好きになるつもりはなかった。
私事で申し訳ないけれど、昔失恋したときに自分の「好き」を見つめすぎて、好きなものへの自信がなくなっていたから。その後何度か思い出に還す機会があって、何度か泣く機会はあったけど、これ以上もう好きなものは増やさないつもりだった。今後取り戻すべきものはだいたい分かったし、現実に実益のない二次元に執着する意味はなかった。生活に染みついたオタク的な行動は言い訳にもできなくて、黙っていつか離れるつもりだった。
かわいいものでも好きなものも、もともと素直に近付ける性格じゃない。水瀬伊織は何年も箱庭のお姫様だったし、カップリング信者としての自分は心中か両片思いか、単体ならモブで犯すか殺すか。ひねくれた人間にありがちな歪んだ愛で方や、コミュニティがたいてい性に合っている。オタクとしての習慣が抜けてなくても、今から昔みたいに全力でオタクをやるには、条件反射の皮肉が身につきすぎていた。非リア向け弱者救済コンテンツに身を寄せるには、透けて見える自分へ嫌悪感が耐えられない。その考え自体は今も変わってない。
ただ彼女に関しては、そんなことを言ってる場合ではなかった。背を向けるにはあまりに好みで、逃げ道を確保するには彼女はあまりに幼かった。自分の卑屈を全て放り投げるくらいたくさん(公式世界のどこかで)傷ついていて、こちら側から干渉できる(二次創作、SNSなどで体感する人気)世界で見るにはあまり影が薄い。生まれてきて2年のソーシャルゲームという不安定な世界。まだ人格さえ固まりきらない、11歳という時間の呪い。ねえ教えてよ、彼女がこのアイドルマスター世界線に生まれたからには一人前のアイドルになるんでしょ、彼女が頂点極めるには、運命を変えるには、いったいどれだけの愛と時間が必要なんだ。
隣にいたいと願ってしまった。せめて彼女の何かでありたいと思わずにはいられない、かわいいものに触れてしまった。この手(携帯)の中でお兄ちゃんと呼んでくれた、目の前にいるこの子だけは、何があっても私だけの大切な子。もう何度目の今更を数えて考えることもなかった、それなのに出会ってしまった。
こんなに何かを願わずにはいられない生き物に。
 
 
彼女には、両手をおわんの形にして受け止めたひよこみたいなイメージがある。ふわふわしてて小さくて黄色(カードの色)の可愛い生き物。私はたぶん、ああいうものに触れたかった。でもこんなに小さくて繊細な生き物に触れたら壊してしまうんじゃないかと不安で近づけなかった。外界に触れた雛は、目を合わせれば付いてきてしまう。
 
いい子は付いてきちゃいけません。
 
そんな言葉を飲み込むほどまっすぐ見据える大きな瞳。彼女は自分の目でいろんなものを見てきた芸能界の先輩だった。踏み台を使って周囲に目を合わせてくるし、誕生日のセリフなんて象徴的だ。「ちゃんと見えるよ」*1 なんて言われたら、もう、何も言えなかった。彼女にはどんな嘘をついても無駄らしい。この雛鳥は飛べない鳥じゃない。ほんとうに何から何まで降参して、毎日いっぱいときめいてどきどきしている。自分でもどうかと思うけど、こんなに最初から好きになった子初めてだから。

 

・あなたに泣き顔は見せません
彼女は、自分が目を逸らしたくなる面を全部ひっくり返して、まるごと好きに反転したようなところがある。そんなところが恥ずかしくてかっこ悪くて、いつだって胸の奥の一番弱いところがキューッと締め付けられる。何かを好きと叫ぶにはまだ罪悪感があって、お兄ちゃんを自称するには頼りない。
なのに彼女のことを考えるといろんな気持ちが涙と一緒に溢れてきて、出しゃばらずにはいられない。自信がないから距離を取ることができない。山ほどいいわけが浮かぶのに胸を締め付けて離さない。考えずにはいられないからずっと考えてるし、いろんなものがツボにハマりまくって涙が止まらないから毎日泣き通していた。
そうやって毎日毎日泣いてるうちに、余計な後悔がどんどん抜けて、何かをやり直すように彼女を好きになっていった。私にもまだ好きなもの作れたんだね。
 
 
桃子と出会ってからというもの、私は毎日泣いてばかりだ。けどそれは、あまり悪い気分じゃない。





出会ってくれてありがとう。
今はまだそれしか言わないよ。


 
 
もうちょっとだけ続くんじゃ 
 

*1:2014年の誕生日ボイスより。「…踏み台に乗らなくたって、優しい目…ちゃんと見えるよ?」 という台詞がある。ゲーム内で誰でも聞ける。